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指紋 筆跡鑑定

 
指紋 筆跡鑑定で分かること
北海道警察
札幌弁護士会
法テラス
札幌市消費者センター
全日本総合調査業協会 

 指紋鑑定では2つの指紋が同一人物の物かどうか、筆跡鑑定では2つの文書が同一人物が書いた物かが分かります。

 どちらも比較対象が無ければ鑑定はできません。指紋を採取すべき物品から採取された指紋と、それに関わった可能性がある人物の指紋。誰が書いたか分からない文書と照合したい人物の文書などです。

指紋の採取

 不審物が送られて来たり、何らかの事件が発生した場合、まずは指紋の採取を行います。不審物そのものや、事件の行為者が触れたであろうドアノブ、窓、ロッカーなど関係する物品から指紋を採取します。

 指紋採取では、テレビや映画でお馴染みの粉末により検出し採取する方法の他、液体による検出など様々な方法があります。

 そして比較対象となる指紋の採取も必要となります。これには本人に秘して採取する秘匿採取と本人に告げて採取する任意採取とがあります。

指紋鑑定の方法

 2つの指紋が同一人物の物であるかは、しばしば0%か100%で判断できるものと思われがちですが、そうではありません。

 指紋鑑定では、指紋の隆線が始まる開始点、隆線が終わる終止点、隆線が繋がる接合点、その逆の分岐点といった特徴点の位置や大きさが、もう1つの指紋と何点一致するかを判断します。そのため、「同一人物の指紋と断定できる(できない)」という結果の他、「同一人物の指紋と断定するには至らないが、その可能性がある」といった状況にもなり得る訳です。

 特徴点が1点一致しただけでは同一人物の指紋とは断定できません。何点一致すれば同一人物と断定できるかは生物学的な解明も、法律の規定もありません。日本の警察では、12点が合致し、その他の特徴点に矛盾が無ければ同一人物の物と断定しています。しかし、だからと言って12点の合致が無いと絶対に同一人物の物と断定できないという訳ではありません。札幌南調査事務所では、研究者からの指導や判例等から、「7点以上が合致」+「その他の特徴点に矛盾が無い」=同一人物の物と断定しています。

「不合致」の意味

 例えば、ある会社の社長室内の机の引き出しから封筒に入れてあった現金が抜かれてしまったという事件が発生したとします。社長室のドアノブ、机、引き出し、封筒等から現場指紋を採取します。そして従業員全員から指紋を任意採取し、鑑定を実施したとします。

 現場指紋と一致しないと断定できる不合致指紋は、つまりこの事件とその人物は関係がないと証明できる事となります。この事実は、本人にとってはおそらく事件が解決する事よりも重要な事だと思います。

 指紋鑑定には、行為者を特定するというご利用方法以外にも、無関係人物を可能性から排除するという効果もある訳です。

筆跡鑑定とは

 会社や自宅に届いた怪文書、遺言書や契約書など、筆跡鑑定が必要となる場面は様々です。筆跡鑑定ではそれらを書いた本人の“癖”を見抜き、本人が記した物かを鑑定します。

筆跡鑑定に必要な物

 筆跡鑑定では、鑑定が必要な文書と比較対象となる文書が必要となります。比較対象となる文書は、1通で足りるという訳ではありません。

 最近書かれた物、数ヶ月前に書かれた物、数年前に書かれた物、日記、メモ書き、他人が閲覧することを前提として書かれた書類など、種類が多い方が鑑定の精度は上がります。

誰かの筆跡に似せて書いた文書

 怪文書を作成する時、濡れ衣を着せるために敢えて誰かの筆跡に真似て書いたり、遺言書などの書類では真正の書類である事を装うために本人の筆跡に似せて書かれた物という事が想定されます。

 筆跡鑑定では、文字の書き方、文字の間隔、筆圧といった特徴を、目視や赤外線照射などによって洗い出します。真似て書かれた文字であっても、これら全ての癖を完璧に真似る事は不可能です。

 筆跡を真似て書かれた文字は、本人が書いたものかどうかだけでなく、「真似て書かれた」模倣筆跡であることすらバレます。

筆跡鑑定の証拠能力

 筆跡鑑定は、裁判において証拠能力をどのように評価されているのか。筆跡鑑定には証拠能力がないと思っている方も多いと思います。

 “文字”とは人間の生活に密着した身近な物であり、一見しただけで似ている、似ていないの判断は誰にでもできるため、それだけに筆跡鑑定は簡単な作業だと思われがちですから、「その様なものが裁判の場で証拠能力を持つわけがない」と考えるのだと思います。

 現実は、“裁判官も筆跡鑑定に一定の証拠能力を与えている”と言って間違いありません。もちろん、裁判では個々の筆跡鑑定について証拠として採用するかが判断されますが、「筆跡鑑定=証拠にならない」は著しく現実離れしている考えと言えます。

 最高裁判決では、「(略)鑑定人による経験の集積と、その経験によつて裏付けられた判断は、鑑定人の単なる主観にすぎないものとはいえない。」とされています。つまり、筆跡鑑定だからといって無視することはできないということです。

鑑定依頼をお悩みの方へ

 ご自身の気持ちの充足のため、話し合いや裁判といった場面で争う場合、どちらにおいても筆跡鑑定は重要な材料となり得ます。

 どうぞお気軽にご相談ください。

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